2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791309
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
城 信雄 関西医科大学, 医学部, 助教 (50411533)
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Keywords | 新生血管 / 血管内皮増殖因子 / 血管退縮 / 血小板由来増殖因子 |
Research Abstract |
本研究では、既存の新生血管に対する退縮療法の検討が主題であり、まず新生血管退縮効果を検討できるモデルの作成が必要である。角膜新生血管モデルを作成し、新生血管の発育、退縮について検討した。作成後10日まで新生血管は成長を続け、その後、自己退縮することなく、新生血管が成熟していくことが確認された。このモデルを用いて、抗VEGF療法の新生血管抑制効果と新生血管退縮効果について、それぞれ異なる時期に薬物投与行い、抗VEGF療法は新生血管の成長を強く抑制するが、すでに発生した新生血管に対する退縮効果は低いことが確認された。次に血小板由来増殖因子(PDGF)を抑制することにより新生血管における壁細胞の動員を制御できるか検討した。PDGFシグナル抑制剤として抗PDGFRβ抗体を10日間腹腔内投与すると、角膜新生血管における壁細胞の動員が抑制されることが確認された。壁細胞は血管の成熟に関係していると考えられ、PDGFシグナル抑制剤による壁細胞の抑制を抗VEGF療法に併用することで、新生血管を退縮させることができるか検討した。角膜新生血管モデルに対し、抗PDGFRβ抗体、VEGF165Aptamer、それぞれの単独投与、及び共投与を行い、それぞれの群での新生血管の面積を測定すると、共投与群は他の治療群に比べ、有意に新生血管が退縮していることが確認された。これらの結果より、角膜新生血管モデルにおいて、PDGFシグナル抑制とVEGFシグナル抑制を併用することで、新生血管を退縮できることが分かったため、今後脈絡膜新生血管モデルと網膜新生血管モデルにおける併用効果と副作用について検討を進めている。
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