2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791317
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
八木 俊路朗 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助手 (00378192)
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Keywords | 大網 / 創傷治癒 / マウス / 開腹 / フローサイトメーター |
Research Abstract |
<目的> 遊離大網弁は長い血管茎を持ち、自由度が高く複雑な欠損に充填することができ、高い免疫機能を持つという特徴を持っており、有用な移植材料のひとつである。本研究では大網弁の高い免疫力を動物実験により立証することを目的とした。 実験の目標は大網を採取したマウスとしていないマウスに炎症惹起物質[lipopolysaccharide(LPS)]を腹腔内に投与しリンパ球の変動を測定する予定である。開腹によるリンパ球への影響を明らかにし、大網採取後何日でLPSを投与するのが適切かを調べた。 <方法> Balb/cマウスを用い開腹のみした群(I群)、大網を採取した群(II群)の2群に分けた。それぞれの群を1,3,5,7,9日目に採取し腹腔内液を回収し、CD4、およびCD8抗体で染色しフローサイトメーターで解析を行いCD4およびCD8抗体で染色されたリンパ球の割合を測定した。またCD4/8もあわせて算出した。コントロール群は開腹のみ1を行い0日目で腹腔内液を採取したものとした。コントロール群:n=15、I群1日目:n=6、3日目:n=6、5日目:n=5、7日目:n=3、9日目:n=2であり、II群1日目:n=5、3日目:n=5、5日目:n=6、7日目:n=2、9日目:n=3であった。 <結果> コントロール群ではCD4:1.69、CD8:1.65、CD4/8:1.19であった。I群では1日目にCD4/8のピーク(CD4/8=2.27)を認めたが9日目にはCD4/8は1.55となった。II群では2日目(CD4/8=2.01)と9日目(CD4/8=2.04)にピークを認めた。 <考察> 開腹の影響は実験を行ううえで無視できないと考えられた。今回の実験により大網を採取し、2週間経過してからLPSを腹腔内に投与しなければLPSによる炎症を正確に測定できないことが示唆された。
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