2006 Fiscal Year Annual Research Report
四肢先天異常の解明-マウス全胚培養への遺伝子導入-
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18791328
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西岡 弘記 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90385344)
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Keywords | 遺伝子導入 / 骨変異 / Hox-C9 / Hox-C6 / 相互関連 |
Research Abstract |
多指症や顎顔面形成異常には、初期発生における発生領域遺伝子の過剰性や抑制が最近知られるようになった。四肢形態形成において、発生の基幹となる肢芽の発生は前後軸Hox (homeo box)遺伝子発現レベルに応じて肢となる領域が決定することが知られており、特に上肢(前肢)においてはHox-C6〜Hox-C9が第一胸椎レベルに肢芽を誘導することが知られている。そこで、その領域に重要と考えられる遺伝子を過剰に発現させることによって、異常形成がどのように発生してくるかを、以前より研究し確立したエレクトロポレーション法を用いた遺伝子導入技術によって検索した。 前回までの実験では、エレクトロポレーション法を用いてGFPとともに遺伝子を導入した。その後、胎児の凍結切片を作成した。これらには遺伝子と共に導入したGFPの発光を確認することにより導入を確認した。今回はShh, Hox-C6,Hox-C9,Hox-A6の各遺伝子を導入し、相互比較を元に検索した。まず、この方法を用いて各遺伝子を導入し、Shh, Hox-C6,Hox-C9,Hox-A6を胎児に過剰発現させた。これらの胎児を実体顕微鏡で観察した後、胎児のパラフィン包埋切片を作成し、HE染色をして観察をした結果、上腕部や顎顔面領域の発生に関する知見を得た。 ShhやHox-C9導入例では、ほかの遺伝子との相互比較の結果、上顎部組織と上腕/肩甲部の骨変異が観察された。また、Hox-A6は特異的な神経系の変異が観察された。 以上から、Shhは他のHox群を介した変異を生じるのに対し、Hox-C9ではHox-C9/Hox-C6相互連関であるBMR, FGFを介した変異が生じていることが示唆された。
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