2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791332
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
中井 國博 大阪医科大学, 医学部, 講師 (80362705)
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Keywords | 三叉神経損傷 / 絞扼モデル |
Research Abstract |
ラットの三叉神経の枝である眼窩下神経を用いて三叉神経損傷モデルを検討した。実際の顔面骨骨折などの外傷に対しての外科的治療から三叉神経で神経因性疼痛を引き起こす可能性があるのは、三叉神経絞扼モデル、三叉神経切断モデル、三叉神経切断後際吻合モデル、三叉神経引き伸ばしモデルが考えられた。機械的刺激による痛覚過敏反応を1週ごとに経時的に観察した結果、三叉神経絞扼モデルで痛覚過敏反応を確認した。このモデルはモデル作成時に三叉神経が一過性に引き伸ばされその後結紮糸により持続的に圧迫される。これは臨床における頬骨骨折において転位した骨により眼窩下神経が引き伸ばされ、その後持続的に圧迫される状態と非常に似ていた。1週頃より痛覚過敏が始まり4週頃まで持続した。モデル作成時に神経を引き伸ばしすぎると痛覚過敏は起こらなかった。また結紮糸による神経の圧迫が強すぎても弱すぎても神経過敏は起こらなかった。手術操作を調整し一定化することで三叉神経絞扼モデルにおいて安定して痛覚過敏反応が起こるようにした。 次に分子生物学的な変化を確認するため過去の報告を参考にして、痛覚過敏反応を起こした三叉神経絞扼モデルラットとコントロールラットより三叉神経、三叉神経核、三叉神経脊髄路核を取り出しリアルタイムPCRを用いてセロトニン受容体やATP受容体などの変化を定量した。また、免疫組織染色を用いてアストロサイトやミクログリアの賦活化やセロトニン受容体やATP受容体の変化を評価した。 これらの結果を踏まえて今後投与実験を行い三叉神経損傷モデルにおいて痛覚過敏になるメカニズムを解明していく予定である。
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