2007 Fiscal Year Annual Research Report
血液中,細菌DNA,mRNA定量による,敗血症の迅速診断と,抗菌薬の効果判定
Project/Area Number |
18791334
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 徹 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 非常勤講師 (50334933)
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Keywords | 感染症 / 集生治療 / 血小板 / ストレス蛋白質 / 分泌 |
Research Abstract |
生理的な止血機構においで血小板が中心的な役割を担っていることは周知のことであるが,一方,病的血栓形成においても血小板が重要な役割を果たしていると推測されている。敗血症の臓器障害においても,その予後に血小板の機能が大きく関与すると考えられているが,その詳細は明らかではない。今回,低分子量ストレス蛋白質(heat shock protein:HSP)の一つであるHSP27に注目し,adenosine diphosphate(ADP)刺激による血小板凝集能及び血小板からの顆粒放出との関連において検討し,以下の点を明らかにした。 (1)ADPはHSP27の発現レベルには何ら影響を及ぼさなかったが,用量依存的(0.3-3.0μM)にHSP27のリン酸化を促進した。 (2)ADPはMAPキナーゼスーパーファミリーのうち,SAPK/JNKには何ら影響を及ぼさなかったが,p44/p42MAPキナーゼ及びp38MAPキナーゼを用量依存的(0.3-3.0μM)に活性化した。 (3)MEK1の阻害剤であるPD98059及びp38MAPキナーゼの阻害剤であるSB203580は,血小板の凝集能には有意な変化を認めなかったが,HSP27のリン酸化及び血小板からのPDGF-AB(血小板由来細胞増殖因子)と5-HT(セロトニン)の分泌を用量依存的に同程度に抑制した。 以上の結果から,ADPによるp44/p42MAPキナーゼおよびp38MAPキナーゼの活性化を介したHSP27のリン酸化は,ADPによる血小板凝集能ではなく,血小板からの顆粒分泌に強く関与していることが明らかとなった。
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