Research Abstract |
救急および集中治療領域におけるさまざまな疾患(急性膵炎,腹膜炎,ARDS,重症熱症,外傷)の敗血症状態におけるナイトカインネットワークを調査するとともに,apoptosisを誘導する上・下流のサイトカイン,さらには遺伝子多型において特定のgenotypeが存在するか否かが注目される点について研究し,研究実績を以下のように残し,科研費終了後も今後継続研究しいくつもりであるが報告する。 初年度は第42回日本腹部救急医学会総会ワークショップ(敗血症患者におけるケミカルメディエーターの動態とその制御),第9回日本臨床救急医学会総会においてワークショップ(救急における感染症)において炎症性サイトカイン,抗炎症性サイトカインおよびHMGBlなどについて測定し,敗血症(腹膜炎,急性膵炎など)との関係についてある程度解明することが可能となり発表した。また第20回日本外傷学会総会,第62回消化器外科学会総会においても発表し研究実績を残した。第30回米国ショック学会総会でも発表し海外においても一定の評価は得られたと考える。さらに本年度は第22回日本ショック学会総会,第62回日本消化器外科学会総会,日本臨床外科学会総会,日本腹部救急医学会総会においても発表し研究実績を残した。また論文報告においては,日本外科系連合会雑誌に掲載され,現在日本集中治療学会雑誌および日本臨床外科学会雑誌において現在投稿中である。そして最終報告として平成20年4月以降,日本外傷学会総会,日本麻酔学会,日本臨床救急医学会,米国外傷学会総会にて発表予定である。今後さらに敗血症における,これまでに生体の恒常性を維持する意味でapoptosisおよびnecrosis,抗炎症性サイトカインと炎症性サイトカインのバランスが大きく関与していることは明らかにしつつ,個々のサイトカインを測定し,その病態を解析し,それを基に重症度の予測や適切な治療には結び付けられるのではないかと考え,さらに薬理遺伝観点から遺伝子の解析を行いオーダーメイド治療への発展を考え,今後も研究実績を重ねるつもりであるが報告する。
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