2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症作用を併せ持つビスホスホネートの作用機序について
Project/Area Number |
18791364
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
竹山 禎章 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00333823)
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Keywords | ビスホスホネート / プロスタグランジンE2 / 骨芽細胞 / 破骨細胞 |
Research Abstract |
TRK-530は側鎖にチオメチルフェニルチオ基をもつビスホスホネートで、この側鎖には抗炎症作用を持つ可能性が示唆されている。今年度、TRK-530の抗炎症作用をマクロファージ系株化細胞RAW267.4細胞と骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞を用いてLPS刺激によるプロスタグランジンE2産生で検討した。 1〜1000μMの濃度のTRK-530で2日間RAW267.4細胞を培養した結果、100μMまでは細胞増殖に全く影響を及ぼすことは無かった。250μM以上からは濃度依存的にRAW267.4細胞の増殖を抑制した。このことからTRK-530を最大100μMまでで実験を行なうことに決定した。TRK-530の効果を検討するために歯周病の重要は因子であるLPSで2日間RAW267.4細胞を刺激し、プロスタグランジンE2の産生量を測定したところ、100μMで若干の減少を認めたが、有為な差を認めなかった。しかしながらこれまでにマウス頭蓋冠器官培養でTRK-530はLPS刺激によるプロスタグランジンE2産生を抑制していることから、TRK-530のプロスタグランジンE2産生抑制は骨芽細胞と破骨細胞の共存環境のときに起こる、または骨芽細胞に作用し産生抑制している可能性が考えられる。そこで、MC3T3-E1細胞とRAW267.4細胞を共存させ、同様の実験を行なったが、プロスタグランジンE2産生には影響が認められなかった。しかし、MC3T3-E1細胞に100μMTRK-530とLPSを加えてところ、プロスタグランジンE2の産生を抑制する傾向が認められた。これらの結果から、TRK-530の抗炎症作用はマクロファージ系細胞に影響をせず、骨芽細胞に作用しプロスタグランジンE2産生抑制する可能性が示唆された。
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Research Products
(2 results)