2006 Fiscal Year Annual Research Report
HEK細胞を用いたヒト甘味受容体遺伝子多型性についての解析
Project/Area Number |
18791370
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
重村 憲徳 九州大学, 歯学研究科, 講師 (40336079)
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Keywords | 味覚 / 甘味受容体 / 遺伝子多型性 / HEK293細胞 / Caイメージング |
Research Abstract |
本研究の目的は、マウスを用いて明らかにされた甘味感受特性と甘味受容体(Tlr2/Tlr3ヘテロ二量体)遺伝子多型との相関を"ヒト"において明らかにすることである。方法は、以下の過程で行った。(1)humanTlr2/Tlr3のアミノ酸変異を伴う遺伝子多型を明らかにする。(2)見いだされたアミノ酸変異をもったTlr2とTlr3(Tlrmutant)遺伝子発現コンストラクトを作成する。(3)作成したものを様々な組み合わせでHEK293細胞に導入し、10種類の甘味物質(天然糖、人工甘味料、アミノ酸)に対する応答特性をCa2+イメージング法により検索し、遺伝子多型性とその応答特性との関係について検討する。 本年度は、まず(1)human Tlr2/Tlr3のアミノ酸変異を伴う遺伝子多型を調べるために、新たに140名のボランティア健康成人に協力して頂き(昨年度、20名を解析済)、味覚検査とDNA抽出を行い、シークエンシングによる遺伝子多型解析を行った。この結果、これまでに報告したもの(Tlr2に4カ所、Tlr3に2カ所のアミノ酸変異)に加え、新たにTlr3Ex2領域にアミノ酸変異を伴う遺伝子変異が明らかになった。この変異は欧米のデータベースに報告がなく、日本人特異的なものと推定された。予備的な味覚感受性との相関検索では、天然糖(スクロース、フルクトース、グルコース)と関連を示唆する結果が得られた。次に(2)と(3)については、Tlr3 Ex2のアミノ酸変異をもつmutantを作成し解析を行った。この結果、甘味物質に対するCa応答が得られなかった。このことから、この変異はTlr2/Tlr3のヘテロ二量体形成やリガンド結合に関わる領域であり、甘味感受性に何らかの影響を与える可能性が推定された。
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[Journal Article] Trpm5 null mice respond to bitter, sweet, and umami compounds.2006
Author(s)
Damak S, Rong M, Yasuratsu K, Kokrashvili Z, Perez CA, Shigemura N, Yoshida R, Mosinger B Jr, Glendinning JI, Ninomiya Y, Margolskee RF.
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Journal Title
Chem Senses 31
Pages: 253-264
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