2006 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis線毛遺伝子多型と歯周病原性との関連解析
Project/Area Number |
18791380
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
加藤 隆大 大阪大学, 歯学研究科, 特任研究員 (20423139)
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Keywords | Porphyromonas gingivalis / 細胞内侵入細菌 / 歯周病 / エンドサイトーシス / マイクロアレイ / 線毛 |
Research Abstract |
P.gingivalis線毛のサブユニットFimAをコードするfimA遺伝子には6つの遺伝子型が存在する。歯周病患者からは2型fimA遺伝子を有するP.gingivalisが高頻度で検出され、非歯周病成人からは1型fimA株が高頻度で検出される。しかし,fimA遺伝子型の相違と本菌の病原性との関係は未だ明確にはされていない。そこで本年度は、fimA遺伝子型と本菌の病原性との関連を明らかにするために、1型および2型fimA株のfimA遺伝子を相互に置き換えた変異株を作製し、病原性の変化を評価した。 ATCC33277株の1型fimA株を2型fimA遺伝子に置き換えた変異株、また逆にOMZ314株の2型fimAを1型fimAに変異させた株、両株の線毛欠損株を作製し、上皮細胞(Hela細胞および不死化歯肉上皮細胞)への付着、侵入、細胞傷害性およびマウス急性炎症モデルでの病原性を評価した. 2型fimA遺伝子を付与された株は顕著な細胞侵入能を示すとともに、細胞内シグナル分子であるpaxillinとfocal adhesion kinaseを分解した.また,2型線毛株は細胞増殖、細胞遊走能などに顕著な阻害活性を示した。マウスモデルにおいても2型線毛株は有意な急性炎症症状を惹起した。これらの知見より、同菌の2型fimA遺伝子と細胞傷害性との強い関連性が示された。 現在、これら菌株を感染させた不死化歯肉上皮細胞のマイクロアレイ解析を実施し、歯肉上皮細胞によるP.gingivalis殺菌機構と歯周病感受性と関連する遺伝子を検索している。
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