2007 Fiscal Year Annual Research Report
ニッケルチタンファイルの切削特性-安全性・追従性の高い根管下部形成法の提示-
Project/Area Number |
18791399
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
富田 文仁 Niigata University, 医歯学総合病院, 助教 (00323973)
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Keywords | ニッケルチタンファイル / トルク / 荷重 / 根管下部形成法 |
Research Abstract |
ニッケルチタンファイルの安全性・追従性の高い根管下部形成法について エポキシレジン製透明湾曲根管模型(湾曲30°,Zipperer)を2群(A群・B群)に分け、A群ではProTaper SXによる根管上部のフレアー形成を、またB群ではF2まで根管形成後、ProTaper熟練者とProTaper初心者以下の方法にて根管充填を行った。 ・S1で作業長まで形成(主に根管上部1/3の拡大形成) ・F3で作業長まで形成(主に根尖部1/3の拡大形成) その際に模型に加わるトルクと垂直荷重を、根管拡大形成操作解析装置を用いてリアルタイムで計測した。本装置では、ひずみゲージを組み込んだトルク・荷重センサからの信号を増幅・波形観測することにより、切削器具長軸方向への荷重とそれを回転中心とレたトルクの解析が可能である。次いで、垂直荷重が最大になる時間とファイルに加わるトルクが最大値となる時間差(タイムラグ)を解析することで、各被験者のファイルの引き上げのタイミングを検討した。総荷重・時間積、総トルク・時間積、総作業時間はいずれも熟練者が小さい値となる傾向を示す一方、初心者では術者間の相違が著しかった。一方、ProTaperの形成リズムは、熟練者では、垂直荷重が最大値を示した後に最大トルクが現れ、最大トルクに先立って引き上げ操作が始まるという一定であることが観察された。熟練者ではファイルへの加重に応じた引き上げのタイミングが適切かつリズミカルにコントロールされていること、および、最大垂直荷重と最大トルクのタイムラグの解析が習熟度の指標となりうることが示唆された。また、熟練者においてもS1使用時に比べてF3使用時で最大垂直荷重と最大トルクのタイムラグが有意に大きかったことから、F3使用時には予測以上のトルクによるファイル破折に注意が必要と思われた。
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