2007 Fiscal Year Annual Research Report
根面齲蝕象牙質に対するコンポジットレジンを用いた新規治療法の開発
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18791400
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
土居 潤一 Okayama University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (90379842)
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Keywords | 根面齲蝕 / コンポジットレジン / 接着 / フッ素徐放性 / 再石灰化 / 脱灰象牙質 |
Research Abstract |
本年度の研究では、50wt%HEMV/1,2propandiol前処理溶液を用いた脱灰象牙質の機械的性質及び処理面の形態学な検討を行った結果、以下のような結果が得られた。 1.人工脱灰象牙質の接着界面直下の10μm〜50μmのヌニープ硬きは、50wt%HEMA/1,2propandiol前処理溶液を用いた場合に無処理と比べて有意な低下は認められなかった。 2.無処理では、脱灰象牙質にコラニゲン線維の露出が観察され、塑造な構造が観察されたが、50wt%HEMA/1,2propandiol処理によってコラーゲン線維の露出が認められず、HEMAが吸着し、網目状の構造を呈していた。 一方、4種類(NaF,CaF_2,SrF_2,SnF_2)のフッ化物をボンディングレジンに1,3,5%添加した接着システムを用いて、人工脱灰象牙質に対する接着性(24時間後及び1ヵ月後)について検討を行った結果、以トのような研究成果が得られた。 1.24時間後の人工脱灰象牙質に対する接着強さは、4種類のフッ化物を添加した場合、無添加のボンディングレジンに比べて有意な低下は認められなかった。また、接着界面では樹脂含浸層様構造が観察され、無添加の場合と比べて形態的な変化は認められなかった。 2.1ヵ月後の人工脱灰象牙質に対する接着強ざでは、5%NaFを添加した場合に最も高い接着強さを示し、レジン内の凝集破壊の割合が多く観察された。 これらのことから、人工脱灰象牙質に対する接着性を向上させるためにフッ化物を添加したボンディングレジンを使用することが有効であることが示唆された。 また、50wt%HEMA/1,2propandiol前処理溶液に5%NaFを添加した試作前処理溶液を用いて人工脱灰象牙質に対する接着強さを検討した結果、50wt%HEMA/1,2propahdio1前処理溶液のみ作用させるよりも有意に高い初期接着強さを示し、このNaFを添加した前処理溶液が人工脱灰象牙質に対する接着強さを向上させることが示唆された。
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