2006 Fiscal Year Annual Research Report
象牙質コラーゲンの加水分解を最小にする接着手法の開発
Project/Area Number |
18791401
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西谷 佳浩 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助教授 (60325123)
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Keywords | 象牙質コラーゲン / 加水分解 / 象牙質 |
Research Abstract |
1.象牙質試料の作製 ヒト抜去歯を注水下でエアータービンを用いて,エナメル質とセメント質を完全に除去した象牙質を作製し,それらを脱水して液体窒素にて凍結後,粉砕機にて球径180μm以下の象牙質粉末を得た. 2.光硬化型2ステップ接着材の作製 TEGDMA/Bis-GMAをベースモノマーとして,HEMAを0〜56wt%配合したモノマーを作製しステップ接着材のプライマーを作製した.同様にTEGDMA/Bis-GMAをベースモノマーとして,HEMAを0または30wt%配合したモノマーをボンディングレジンとした.各モノマーにカンファーキノンおよび3級アミンをそれぞれ1wt%配合して光硬化型とした. 3.象牙質MMP活性の測定 象牙質粉末をプライマー処理のみ行ったものと,プライマー処理後に続けてボンディングレジンでコーティングしたものとについてType I Collagenase Assay KITを用いて,マイクロプレートリーダーにてゼラチン/コラーゲン分解能を測定した.その結果,プライマー処理後の象牙質は,無処理の象牙質(コントロール)に対して10倍似上ゼラチン/コラーゲン分解能が活性化されることが明らかとなった.一方,ボンディングレジンでコーティングされた象牙質の分解能はコントロール以下を示した.すなわち,象牙質中に存在する内因性のコラーゲン分解酵素はプライマー処理によって活性化されること,さらにボンディングレジンのコーティングによって抑制されることが示唆された. 4.光硬化型レジンの吸水特性 各種試作レジンで直径10mm,厚さ0.5mmのレジンディスクを作製し,水中に浸漬した場合のレジン体の重量変化を24時間毎に測定した.その結果,レジン体の吸水性・溶解性はHEMA濃度に強い相関を示すことが明らかとなった.
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