2007 Fiscal Year Annual Research Report
ミュータンス連鎖球菌のヒト樹状細胞成熟に及ぼす補体の影響
Project/Area Number |
18791402
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高松 夏子 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (90403716)
|
Keywords | 樹状細胞 / ミュータンス連鎖球菌 / 補体 |
Research Abstract |
本年度は補体不活化血清と反応させたS.mutansとヒト未成熟樹状細胞(未成熟DC)とを共培養し、樹状細胞(DC)のIL-8,IL-12産生およびCCR1,CCR7,IL-8遺伝子発現を検索した。ヒト末梢血より単核球を分離し、CD14のネガティブセレクションを行い単球を分離した。この単球のうち付着細胞を以後の実験に供した。(フローサイトメトリー解析にて95%以上のCD14陽性細胞が含まれていた。)調製した単球をGM-CSF,IL-4添加RPMI培地にて培養し、未成熟DCを誘導した。次にS.mutansMT8148をBHI培地にて培養後、煮沸し死菌化した。これらを補体不活化血清と共に反応後(S1)、未成熟DCへ刺激した。対照として、RPMI培地と共に反応したS.mutans(S2)および血清と共に反応したS.mutans(S3)を使用した。24時間後IL-8,IL-12産生量をELISAにて測定した結果、S1刺激DCはS3刺激DCに比べIL-8,IL-12産生が減少し、S2刺激時と同程度の産生量であった。また、48時間後DC上のCCR1,CCR7,IL.-8のmRNA発現量をNIHimagingにて測定した結果、CCR1発現量はS1,S2,S3刺激で差は認められなかったが、CCR7およびIL・8発現量はS3刺激DCに比べS1,S2刺激DCで少なく、さらにS1,S2刺激DCでは同程度の発現量であった。これらの結果より、血清と共培養したS.mutansがDCの成熟を促進する過程において、補体が重要な役割を果たしていることが考えられた。
|