2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791413
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
椎谷 亨 Kanagawa Dental College, 歯学部, 助教 (40350532)
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Keywords | 根面齲蝕 / in situ |
Research Abstract |
初期根面齲蝕を切削することなく、いかに修復(再石灰化)処置するか、について研究することは、MIの概念の重要性が叫ばれている昨今、非常に重要な事項である。表層下脱灰病巣について、in vitroで行われた研究は数多く見られるが、そのことを実際の口腔内を想定した環境下で模索するin situ実験はいくつか見られるものの、その条件設定は研究者によってまちまちであり、画一的な方法はいまだ決定されていないのが現状である。私は、今回ウシ健全象牙質に対するin situにおける基本的な表層下脱灰病巣を作製することを目的として、実験を行った。 下顎口腔内装置(ICT)の試作を行い、その頬側レジンフレンジ部のくぼみに、滅菌したウシ象牙質試片を組み込んだ。試験面は、ネイルバーニッシュにより1mm×3mmに規定し、ガーゼにて被覆した。口腔内装置は、1日3回の食事時に10%シュクロース溶液に15分間ずつ浸漬した。食事時、ブラッシング時、就寝時以外は、口腔内に装着することとし、それを4週間および6週間継続した。 その結果、健全象牙質試片には、4週間後、6週間後ともに、表層の破壊されていない典型的な表層下脱灰病巣り形成が確認された。4週間後のミネラル喪失量は、3341.2(Vo1%・μm)、3769.4(Vo1%・μm)などの値、その病巣深度は、261.1(μm)、218.2(μm)などの値を示した。また、6週間後のミネラル喪失量は、4886.7(Vo1%・μm)、4133.0(Vol%・μm)などの値、その病巣深度は、276.2(μm)、269.0(μm)などの値を示した。 今後は、4週間の系で被験者を増やして行い、その表層下病巣の再現性を確認する予定である。その上で、ミネラル喪失量と被験者の齲蝕活動性試験との関係や、ミネラル喪失量とガーゼた付着した細菌数との関連性等の応用実験を考えている。
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