2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791419
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山口 哲史 東北大学, 病院, 助手 (50400263)
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Keywords | 咀嚼筋活動 / 骨格筋fMRI / 口腔顔面痛 / 顎関節症 |
Research Abstract |
口腔顔面痛には様々な要因が複雑に関連し、その発生機序には不明な点が多い。口腔顔面痛に含まれる緊張型頭痛やI型顎関節症に関しては、咀嚼筋障害との関連が示唆されており、顎運動における筋の過緊張がその原因の1つとして考えられているが、過剰な活動部位およびその活動量と疼痛との関連は明確ではない。本研究は、四肢や体幹の骨格筋活動測定に用いられている骨格筋機能的磁気共鳴画像(mfMRI)を用いて、咀嚼筋内部の活動様相を非侵襲的に測定解析し、口腔顔面痛における咀嚼筋障害と関連する疼痛の原因究明を目指すものである。 平成18年度は、ガム咀嚼の前後における咬筋と外側翼突筋のT2値の変化を算出し、咀嚼筋活動の定量化に対するmfMRIの応用の可能性を検証することを目的として、健常成人男性にガムを任意の速度で左側偏咀嚼させ、その前後における頭部のMR画像を撮影した。各被験者のMR画像の全スライス上で、両側咬筋、外側翼突筋、下顎頭骨髄の外形をトレースすることにより関心体積を設定し、各関心体積における平均T2値を算出した。その結果、ガム咀嚼によって活動する筋の平均T2値に有意な変化が認められ、下顎頭骨髄の平均T2値にはほとんど変化が見られなかった。各咀嚼筋のT2値の変化量は、各咀嚼筋の活動量を反映していると考えられ、咀嚼筋活動測定に対して、mfMRIは十分応用可能であると思われる。 平成19年度は、咀嚼時間の増加に伴う各咀嚼筋のT2値の変化を確認し、咀嚼筋活動定量化への応用を確立するとともに、筋内部の活動様相の解析を行う予定である。
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