2006 Fiscal Year Annual Research Report
補綴物の材料および合着用セメントの違いが水平歯根破折に及ぼす影響
Project/Area Number |
18791426
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 大蔵 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (80323690)
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Keywords | 歯根破折 / クラウン / セメント / 歪み |
Research Abstract |
近年、材料の発展によりハィブリッド強化型硬質レジンが用いられるようになった。このようなクラウンが長期にわたって良好に機能するには、歯頚部に過度の応力が集中しないものが望まれる。本実験では、2種の材質のクラウンをコンポジットレジンコアにコンポジット系レジンセメントにて合着し材料が歯頚部に及ぼす影響を比較・検討した。披験歯はヒト下顎単根小臼歯14本とし通法に従いグラスファイバーポストおよびコンポジットレジンにて支台築造を施した。マージン形態はラウンデッドショルダー、フェルールの高さ1.5mm、テーパー片側4°、支台歯の高さ6mmとなるように支台歯形成し、全部鋳造冠(MC)、ハイブリッド強化型硬質レジンクラウン(HC)を各8個ずつ作製し、2グループとした。歯頚部のクラウンと歯根にひずみゲージ(KFR-02N-120-C1-16N10C2、KYOWA)を接着し、万能試験機(AUTOGRAPH AGS-H,島津製作所)を用い、クロスヘッドスピード1mm/minとし、頬側咬頭に歯軸に対して45°に150Nまで静的荷重を付与した。このときのクラウンおよび歯根の頬舌側のひずみ量、頬舌側の歯根およびクラウンのひずみ量の差を算出し、それぞれT検定を用いてMC・HC間で比較した(有意水準5%)。 クラウンおよび歯根の頬舌側のひずみ様相は、頬側は引張ひずみ、舌側は圧縮ひずみを示したが、MCの100N、125N、150N荷重時のみクラウン頬側は圧縮ひずみを示した。MC・HC間において、125N、150N荷重時のみ、クラウン舌側に有意差が認められた。また、クラウンおよび歯根のひずみ量は全てHCの方が大きかったら頬舌側の歯根およびクラウンのひずみ量の差において、MC・HC間に有意差は認められなかった。このことからHCは歯根、クラウンともにMCと同程度の応力状態を示すことが示唆された。
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