2007 Fiscal Year Annual Research Report
補綴物の材料および合着用セメントの違いが水平歯根破折に及ぼす影響
Project/Area Number |
18791426
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岡田 大蔵 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80323690)
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Keywords | 応力 / 有限要素 / 歯根破折 |
Research Abstract |
近年、カリエス、歯周病に加え歯根破折が抜歯の要因にあけられるようになってきた。歯根破折には垂直性破折と水平性破折に分類される。このうち本研究では垂直性歯根破折について行う予定である。研究は有限要素法を用いた研究と抜去歯を用いた模型実験に分かれて行う予定である。本年度は有限要素法を用いた研究を行ってきた。具体的には根管充填を施した小臼歯モデルにファイバーポスト併用のレジンコアを築盛し、そののち3種類のクラウン、すなわち、全部鋳造冠、ハイブリッドセラミッククラウン、オールセラミッククラウンを弾性率の異なる2種類のセメントで合着したモデル、計6種類を作製し、咀嚼時の咬合力を咬合面中央部に付与、歯根象牙質の歯頚部、ポスト先端部、根尖部の応力分布状態を比較検討した。 6種類のモデルの中では、ポスト先端部および根尖相当部の歯根象牙質の応力分布状態には大きな差が認められなかった。これに対し、歯頚部歯根象牙質には大きな差が認められた。3種類のクラウンのうち、ハイブリッドセラミックスを用いたモデルが最も応力集中度が低く、2種類のセメントでは、弾性率が大きいモデルが応力を緩和させる傾向にあった。すなわち、計6種類のモデルのなかで、ハイブリッドセラミックスを高い弾性率のセメントを用いて合着したモデルが最も歯頚部の応力を緩和されることがあきらかとなった。
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