2006 Fiscal Year Annual Research Report
インプラントおよび自家移植歯牙周囲の知覚再生と咬合負荷による変化に関する研究
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18791440
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
保志 美砂子 九州大学, 大学病院, 医員 (10419591)
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Keywords | インプラント / 歯牙移植 / 咬合感覚 |
Research Abstract |
オッセオインテグレーションタイプインプラントにおいては、歯根膜をはじめとする軟組織の介在なく骨とインプラントが直接接触するため咬合接触感覚に乏しく、開口反射も弱いとされている。しかし臨床の場では、咬合開始後しばらくすると咬合感覚が生じて来たとの患者の意見が多く、これは、咬合に対しての知覚が経時的に獲得されるためと考えられる。しかし、この「インプラントの咬合感覚」についてはこれまで一定した知見は報告されていない。また、自家歯牙移植の利点の一つとして歯根膜の感覚機能が活用できることが挙げられているが、移植のため抜歯することによって神経線維の連続性が絶たれてしまった後、再び歯根膜に神経線維が侵入し、インタクトな天然歯と同様な咬合感覚が再生するかどうかは明らかではない。そこでインプラントや移植歯牙への神経分布を探索することを目的として、平成18年度は以下の研究を行った。 osseo integration獲得後の咬合負荷によるインプラント・移植歯牙周囲神経分布の変化 【プロトコール1-インプラント】 ビーグル犬下顎両側第一、第二前臼歯を抜歯し、1カ月後にインプラントを各側2本ずつ埋入した。 integration獲得後、咬合負荷がインプラント周囲神経分布に与える影響を観察した。 【プロトコール2-移植歯牙】 まず、ビーグル犬下顎両側第一前臼歯を抜歯、抜歯窩の治癒を待ち、その後下顎両側第二前臼歯を抜歯した。そのとき左側第二前臼歯は右側第二前臼歯抜歯窩に即時移植、右側第二前臼歯は左側第一前臼歯に骨窩洞を形成して移植した。 移植後、上記のインプラントと同様のプロトコールで咬合負荷が移植歯牙周囲神経分布に与える影響を観察した。 その結果、インプラントの場合、インプラント周囲への著明な神経分布は認められなかった。移植歯牙の場合、移植歯歯根膜内への神経の侵入が観察された。
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