2006 Fiscal Year Annual Research Report
ティッシュエンジニアリングの三要素を配慮した骨再生とその評価
Project/Area Number |
18791442
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荻野 洋一郎 九州大学, 大学病院, 助手 (50380431)
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Keywords | 成長因子 / 破骨細胞培養系 |
Research Abstract |
本研究は、ティッシュエンジニアリングの三要素に注目し、骨の反応を検討するものである。今回は成長因子に注目し、骨芽細胞の増殖因子としてのplatelet derived growth factor(PDGF)、分化因子としてbone morphogenetic protein-2(BMP-2)を使用した。また、血管系に大きな影響をもたらすvascularendothelial growth factor(VEGF)も同様に検討を行った。 骨芽細胞への効果はこれまで多くの研究がなされているが、骨リモデリングや再生における破骨細胞の役割の検討を中心に行うこととした。破骨細胞の培養系としては、ラットの骨髄細胞(Rat bone marrowcell、RBMC、骨芽細胞系の細胞を含む)とマウスのcell lineのRAW細胞(骨芽細胞系の細胞を含まない)を使用した。 RBMCの培養系では、増殖因子系では破骨細胞様細胞の形成を抑制した。しかし、RAWの培養系では破骨細胞様細胞の形成を促進した。この相反する結果を引き起こす原因としては以下の事項が考えられた。 1)RBMCでは、骨芽細胞系の細胞からの破骨細胞形成抑制因子のosteoprotegerin(OPG)の分泌を促進。 2)RAW細胞の増殖を促進することで、破骨細胞様細胞の形成を促進した可能性。 分化促進因子であるBMP-2においては、RBMC培養系では破骨細胞様細胞の形成に差は認められなかったものの、RAW細胞培養系では有意に促進した。この理由としては、以下の事項は考えられた。 1)骨芽細胞系の細胞からのOPGの分泌が促進された可能性 2)RAW細胞系における破骨細胞の分化シグナル経路にBMP-2をリガンドとする経路が存在すること 今後は、これらの詳細に関する更なる検討とin vivoにおける研究計画を遂行する予定である。
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