2006 Fiscal Year Annual Research Report
チタン合金を応用した硬質レジン前装冠の耐摩耗性に関する研究
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18791454
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小泉 寛恭 日本大学, 歯学部, 講師 (20339229)
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Keywords | 前装材 / チタン / 磨耗 / 接着強さ |
Research Abstract |
硬質レジン前装冠は、陶材焼付鋳造冠とともに審美的な補綴装置として広く臨床応用されている。硬質レジン前装冠の問題の一つとして挙げられるのは、前装材の耐摩耗性と前装材-金属境界部の摩耗である。前装材である間接修復用コンポジットの素材の改良や金属に対する接着性の改善に関する研究は、数多く行われてきている。しかしながらその前装材-金属境界部に対する咬頭滑走による摩耗の影響や歯ブラシによる摩耗の影響に関しては、現在も不明な点が多いと考えられる。このような口腔内で実際起きうる摩耗に対し、硬質レジン前装冠がどのような機能低下を起こすかを明らかにし、さらにはより摩耗しない硬質レジン前装冠のシステムを開発することは歯科臨床において早急に進めなければならない課題であると考える。本研究においては、硬質レジン前装冠の金属材料として純チタンおよびTi-6Al-7Nb合金前装材料として間接修復用コンポジットを選択し、前装材-金属境界部に対する摩耗の影響を明らかにすることを目的とした。 本年度の研究実績は、金属表面処理の違いが、接着強さに及ぼす影響について明らかにした。Ti-6A1-7Nb合金に対する表面処理は、リン酸エステルである10-methacryloyloxydecyl dihydrogen phosphateが有効であることが示唆された。なおこの結果は、第6回国際歯科チタンシンポジウムに発表予定である。 来年度は、金属表面処理の違いが前装材-金属境界部に対する摩耗に及ぼす影響を明らかにし、さらに摩耗と接着強さの相関を分析する予定である。
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