2007 Fiscal Year Annual Research Report
咀嚼機能障害時の腸管神経系における活性酸素関連機構の解明
Project/Area Number |
18791458
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
高橋 聡子 Kanagawa Dental College, 歯学部, 講師 (30301592)
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Keywords | 歯学 / 歯科補綴学一般 / 咀嚼機能障害 / 神経生理学 / 腸管神経 |
Research Abstract |
結腸や直腸などの下部消化管では,上部消化管に比べ血管網や循環血液量が少ないことから,特に活性酸素種による障害を受けやすいと言われている。このため本研究では,咬合高径変化に伴う咀嚼機能障害の腸管運動機能に与える影響を解明し,さらには,活性酸素種が咀嚼機能障害による腸管運動障害に関与しているかどうかを明らかにすることを目的とした。すなわち,腸管神経の中でも特に中枢神経細胞に近いといわれる細胞(AH細胞)の膜電位変化を指標として,腸管神経細胞が咬合高径変化に伴う咀嚼機能障害によってどのような影響を受けているか,また,それに活性酸素種がどのように関与しているかについて,電気生理学的,および薬理学的手法を用いて検討することを目的に研究を行った。 本年度は,咬合高径変化に伴う咀嚼機能障害の腸管運動機能に与える影響を解明するために,以下の研究を行った。 単一神経細胞からの細胞内電位誘導法を用い,咀嚼機能障害の腸管神経細胞膜電位に与える影響についての実験の素地を整えた。主に,咬合面にレジンを添加し,咬合高径を変化させたモルモットのモデル動物を作成することを中心として行った。作成したモデル動物は,長期的に飼育し,さらに摘出した結腸の標本を用いて,アウエルバッハ神経細胞の細胞内電気活動を記録することを試みた。これは,咬合高径を変化させたモデル動物の腸管神経活動をin vitroで観察するのと同時に,in vivoでの観察を行うためである。咀嚼機能障害が消化器系および動物の動態に影響を及ぼすことを明確に示すことができれば,歯科のみならず医科領域においても基礎的にも臨床的にも極めて意義のあることである。
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