2006 Fiscal Year Annual Research Report
細胞外環境、細胞接着および血管新生による新しい骨再生モデルの解析
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18791465
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
秋山 真理 大阪歯科大学, 歯学部, 助手 (60340618)
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Keywords | 再生医療 / 骨再生 / 移植実験 / 骨膜細胞 |
Research Abstract |
アスコルビン酸添加あるいは無添加の培養条件においてウシ骨膜細胞の初代培養を行った。培養液上清をサンプルとし、ウエスタンブロット法にて骨膜細胞が合成した細胞外マトリックス成分を検出した。コラーゲンタイプ1抗体を用いて目的タンパク質の検出を行った時、アスコルビン酸添加条件では、コラーゲンタイプ1が発現した。一方、無添加条件では発現しなかった。また、ヌードマウスを用いた皮下移植の実験では、アスコルビン酸添加条件で培養した骨膜細胞の場合には骨形成が認められた。これに対して、無添加条件で培養した細胞では移植した細胞は吸収される傾向にあり、組織観察等において骨形成は認められなかった。以上、骨膜細胞のコラーゲン合成と生体内における骨再生との関連をタンパク質レベルで調べた結果、両者には関連があることが示唆された。 次に、本研究における骨再生モデルを用いて血管新生の過程および血管内皮細胞の由来を免疫組織化学的に調べた。ヌードマウス皮下に骨膜細胞ペレットを移植し、2週間および4週間後にパラフィン切片を作製し、血管内皮細胞マーカーであるVon Willebrand因子を用いて免疫染色を行った。その結果、4週間以降で血管新生が確立されることが示唆された。また、2つの血管内皮細胞マーカー、Von Willebrand因子およびCD31を用いて、異種動物の組織の染め分けを試みた。ウシおよびマウスの凍結切片を作製し、それぞれ、Von Willebrand因子およびCD31の免疫染色を行った。その結果、Von Willebrand因子はウシおよびマウスの両方で発現したのに対し、 CD31はウシで発現せず、マウスのみで発現した。したがって、ウシの骨膜細胞をヌードマウスに移植した場合、Von Willebrand因子の免疫染色でのみ染まる細胞はウシ由来の血管内皮細胞であることが示唆された。
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