2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791468
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
川本 章代 Osaka Dental University, 歯学部, 助教 (50368156)
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Keywords | 高分子多糖 / 骨芽細胞 / ヒアルロン酸 |
Research Abstract |
歯科診療において頻繁にみられる歯牙周囲の骨欠損部に、高分子多糖含有の含そう剤を応用することを目的とし、in vitroにて検索を行った.高分子多糖はヒアルロン酸(HA)ならびにコンドロイチン硫酸(CS)を用いた。全実験で用いた細胞は骨芽細胞様細胞(MC3T3-E1)、HAは分子量6-12x10^5のアルツディスポ[○!R]、 CSは分子量4-8x10^4(生化学工業)である。 ・CS添加時の骨芽細胞増殖能(MTS法使用):CS添加における骨芽細胞の増殖能に著明な変化はみられなかった。 ・CS添加時における骨芽細胞の細胞外マトリックス遺伝子発現(RT-PCR法):最も顕著に発現を示したものはdecorinで、その発現はCS 100μg/ml添加3日後に顕著に亢進した。また、type I collagenの発現は経時的に上昇傾向にあるものの、非添加群と比較して差異はなかった。 ・HA添加時における骨芽細胞の増殖亢進とCD44の関連性:骨芽細胞はHA添加で増殖が亢進したが、抗CD44抗体にて前処理したところ、その増殖は抑制された。 ・HA添加時における骨芽細胞の遊走能の検討とCD44の関連性:HA添加における骨芽細胞の遊走は4時間後で亢進された。抗CD44抗体にて前処理したところ、その亢進は抑制されなかった。 HAは骨芽細胞の遊走・増殖に関与し、CSは増殖以降のマトリックス形成に関与することが示唆された。 今後、分化・石灰化に関する検索も必要であるが、作用の異なる2つの高分子多糖を利用し、人工歯根埋入時や抜歯時への応用、また骨再生必要部位に適用するscaffoldへの応用などにつながる点において意義深い。
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