2006 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔薬がタンパク質を含んだモデル膜に及ぼす影響に関する研究
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18791470
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渋谷 真希子 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (30399951)
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Keywords | 歯学 / 歯科麻酔学 / 薬理学 |
Research Abstract |
科学研究費補助金交付申請書に示したとおり、研究に必要な電子天秤や真空ポンプなどの器具の購入や設置、試薬の購入などの準備を行い、脂質に類似した構造をもつスピンラベル剤5-DSAと16-DSAの二種類を組み込んだホスファチジルコリンリポソーム溶液、およびNa, K-ATPase及びマイクロソーム分画中に含まれる膜タンパク質を含んだリポソーム溶液を作成し、それぞれに7種類の麻酔薬を投与した際のESRスペクトルへの影響を調べた。得られたESRスペクトルの線形変化、スペクトルを基に算出されるオーダーパラメーターSおよび回転相関時間τの3つの指標により麻酔薬による変化を解析した。その結果、今回作成した脂質:タンパク質の重量比ではタンパク質の有無に関わらず、麻酔薬は脂質二重膜の表層にとどまっており、膜深層のみならず、比較的表層にも影響を及ぼさないことが示された。すなわち、今回作成した脂質:タンパク質の重量比でのリポソームにおいNa, K-ATPaseの存在および膜タンパク質の存在は脂質二重膜での麻酔薬の作用に影響を及ぼさないことを示した。この結果は国際歯科学研究学会議(2007年3月、New Orleans)発表、およびオハイオ州立大学、プリンストン大学にて講演(2007年3月)を行った。次の段階として、リポソームに含むタンパク質の種類をGABA_Aレセプターやアセチルコリンレセプター、Ca-ATPaseをそれぞれ含んだリポソームを作成し、同様の手法にてデータを蓄積、解析しているところである。
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