2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌に対する化学療法のSurvivin発現への影響と発現調節による口腔癌治療
Project/Area Number |
18791474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋元 亘 東北大学, 病院, 助手 (30323033)
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Keywords | 口腔癌 / アポトーシス / 癌分子治療 / 抗癌剤感受性 / 放射線治療 / 抗腫瘍効果 / 口腔癌細胞株 / siRNA法 |
Research Abstract |
我々はこれまでに、IAP familyの一つであるApollon分子の腫瘍細胞における発現と放射線治療の効果との関連について検討し報告してきた。今回我々は、同じIAP familyの一つであり、より腫瘍細胞に特異的に発現しているSurvivin分子に着目し、研究を遂行した。 本年度は、まず数種類の口腔癌細胞株を用いてSurvivin分子の発現をRT-PCR法で検討した。その結果、調べた5種類の口腔癌細胞株すべてでSurvivin分子の発現を認めた。次に5-FUやCDDPの腫瘍のSurvivin発現への影響について検討する目的で、口腔癌細胞株に5-FUおよびCDDPを添加して培養し、Survivin分子の発現をRT-PCR法で検討した。その結果、5-FU,CDDP添加により腫瘍のSurvivin分子の発現の変化は見られなかった。今後、引き続き他の細胞株でも確認していく。さらに、ヒトの口腔癌細胞株をヌードマウスに移植するxenograft modelを用いて、同様にIn vivoでのSurvivin発現と化学療法による影響を検討した。実際にヌードマウスにヒト口腔癌細胞株であるSAS細胞を移植し、さらに5-FUおよびCDDPにて治療した上で、腫瘍塊を切除して免疫組織化学標本の作製まで行った。今後さらに、mRNAを抽出しRT-PCR法でもSurvivin分子の発現を確認していく予定である。これと平行して、実際に臨床検体を用いた研究にも着手した。今年度は、臨床検体を採取するために倫理委員会に実験計画を提出した。次年度は、当科にて治療を行っている口腔癌患者より腫瘍細胞を採取し、化学療法施行前後での腫瘍細胞のSurvivin分子の発現をRT-PCR法および免疫組織染色法にて調べ、さらに治療効果との関連について検討を加える。
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