2006 Fiscal Year Annual Research Report
不死化エナメル芽細胞株を用いた歯の再生医療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18791477
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
中田 憲 秋田大学, 医学部, 助手 (50400510)
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Keywords | エナメル芽細胞 / 上皮-間葉相互作用 / scaffold / signal / 歯再生 |
Research Abstract |
●エナメル芽細胞の分化誘導条件の検討 (1)エナメル質の再生のためには,エナメル芽細胞を分化させて,より活発にエナメルマトリックス淡白を分泌する細胞に誘導する必要がある.申請者は,本エナメル芽細胞株を高カルシウム含有培地で培養すると,エナメル芽細胞は分化し,石灰化した結節を形成することを確認している.このようなエナメル芽細胞への効率的な分化の至適条件を検討するため,BMP, FGF,デキサメサゾンおよびレチノイン酸等を添加して培養を行い,エナメルマトリックス遺伝子の発現量をRT-PCR法で検討中であり,in vitroにおいて多量の石灰化結節を誘導する条件を探索している. (2)歯再生用のscaffoldとして水酸アパタイト(HAP)と炭酸アパタイト(CO_3-AP)が有用か否かを検討するめ,エナメル芽細胞をアパタイト上で培養し,エナメル芽細胞の増殖および分化に与える影響を検討した.HAP上で培養したエナメル芽細胞は,7日目以降に増殖し,3週後では培養皿と差がなかった.また,エナメル芽細胞はHAP上で成熟したエナメル芽細胞の分化マーカーを新たに発現した.即ち,歯再生のscaffoldとして利用できる可能性があると考えている. ●特殊コラーゲン膜を用いたエナメルマトリックス誘導に関する検討 (1)エナメル質を再生するには,上皮-間葉相互作用が必須と考えられる.その上皮-間葉相互作用を再現するため,コラーゲン膜をin vitroにおけるscaffoldに選択した.このコラーゲン膜は特殊なバブル処理で通気孔を変更できるため,エナメル芽細胞と歯原性間葉系細胞の両面培養に最適な通気孔の大きさを現在,検討している.両面培養した細胞が互いの細胞突起を介して接触し,シグナル伝達ができる上皮-間葉相互作用を再現する.さらに,コラーゲン膜に歯の形態を付与することによって,歯の形を再現できるか否かを検討中である.使用している歯原性間葉系細胞株は,マウス胎児の歯胚から当教室で樹立した象牙芽細胞株である.
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Research Products
(1 results)