2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽微な侵害性刺激と非侵害性刺激を併用した新しい鎮痛法の開発
Project/Area Number |
18791485
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
藤井 佳子 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (30401334)
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Keywords | DNIC / TENS |
Research Abstract |
物理的な鎮痛法としてペインクリニックで用いられてきた、鍼刺激や経皮的電気刺激(Transcutaneous electrical stimulation : TENS)などは非侵害性のAβ線維刺激により鎮痛を生じるgate control theoryに基づいた鎮痛法である。一方、異所性の侵害刺激を与えると遠隔部の痛みが減弱する広範囲侵害抑制性調節(DNIC : Diffuse Noxious Inhibitory Control)がある。この鎮痛メカニズムはAδ・C線維を介した下行性痛覚抑制系の賦活による。本研究では侵害性刺激と非侵害性刺激を併用して、新たな鎮痛法を開発しようとするものである。 本年度は、主に電気刺激システムの開発、および与える刺激強度・条件の設定に費やした。 侵害刺激・非侵害刺激を併用できる、電気的に独立した2つのパルス出力チャンネルを持つ電気刺激システムを開発した。本機は、それぞれのチャンネルにおいて、電気強度(V)・Duration・Interval・Duty Cycle・Main Interval(パルスバーストの周期)・N train(バースト内のパルス数)を自由に設定できることが可能であり、さらに2チャンネルのパルス発生頻度もランダムに設定可能である。 現在は歯に電気刺激を与えて誘発される体性感覚誘発電位(Somatosenaory Evoked Potential : SEP)の後期成分(150〜300msec)の振幅を痛みの客観的評価として用いて、電気刺激装置がもたらす鎮痛効果を測定中であり、この結果を来年度歯科麻酔学会において報告する予定である。
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