2007 Fiscal Year Annual Research Report
全身麻酔下低酸素症が自律神経および脳内ホルモンに及ぼす影響
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18791492
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
廣瀬 陽介 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 助教 (20362684)
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Keywords | 自律神経活性 / 低酸素症 / 全身麻酔 / ドーパミン / 心拍ゆらぎ |
Research Abstract |
吸入麻酔楽による全身麻酔下で低酸素状態が生じた場合、自律神経活性および線条体ドーパミン(DA) 動態へどのように影響するかは不明な点が多い。本研究は2.0%セボフルラン全身麻酔下において、低酸素負荷を与えた場合の自律神経活性とDA動態を測定した。 12週齢雄性高血圧自然発症ラット(SHR)に動脈圧カニューレとMicrodialysis probeを挿入し、72時間後、酸素と窒素の混合ガス(Fi02=21%)を30分間通気し、対照値を測定、Fi02を21%に保ちながら2.0%セボフルランを吸入させ、30分間維持した。その後Fi02を5分間で低下させFi02=10%を10分間維持、その後5分間でFi02を21%に回復し、Fi02=21%状態にした。 その間の収縮期血圧(SBP)、心拍数(HR)、血圧ゆらぎの低周波成分(SBP-LF)、心拍ゆらぎの高周波成分(HR-HF)の変化を測定した。DA動態はMicrodialysis法を用い、HPLCにて5分間隔で測定した。 結果は、1.SBPはセボフルラン吸入によって変化せず、低酸素負荷によって低下した、低酸素負荷の解除により対照値へと回復した。 2.HRはセボフルラン吸入によっては変化せず、低酸素負荷によって上昇し、低酸素状態では、上昇した値のままであった。低酸素状態の解除で対照値へと回復した。 3.SBP-LFはセボフルラン吸入によって有意な変化は認められなかったが低酸素負荷によって低下し、低酸素負荷の解除により対照値へと回復した。 4.HR-HFはセボフルラン吸入によっては変化せず、低酸素負荷によってもあまり変化は認められなかったが低酸素負荷解除時に上昇が認められた。 5.DA量はセボフルラン吸入によっては変化せず、低酸素負荷時に上昇が認められ、低酸素負荷解除後もしばらく上昇が認められたが、やがて対照値へと戻った。
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