2006 Fiscal Year Annual Research Report
一酸化炭素吸入による中枢神経細胞の酸化ストレス軽減効果
Project/Area Number |
18791496
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
樋口 仁 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30423320)
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Keywords | 酸化ストレス / 脳・神経 / Heme Oxygenase-1 |
Research Abstract |
本研究の18年度の研究実施計画は1.Western blot法によるHeme Oxygenase-1(HO-1)タンパクの定性・定量法を確立2.鉄ニトリロ三酢酸(Fe-Nitrilotriacetic Acid : Fe-NTA)腹腔内投与ラットの大脳皮質・海馬・視床下部におけるHO-1タンパク発現の検討である。 1.Western blot法によるHO-1タンパクの定性・定量法を確立 まずFe-NTA腹腔内投与ラットより腎臓を摘出し,タンパク質を抽出した。抽出したタンパク質をLoery法により定量し,Western blot法を用いHO-1タンパクの定性・定量を行った。その結果,Fe-NTA腹腔内投与ラットの腎臓においてHO-1のタンパク発現が確認できた。また同様の資料についてβ-actinのタンパク発現をWestern blot法を用いて定性・定量し,これを内部標準として腎臓のHO-1のタンパク発現をより精密に定量した。これらより,Western blot法によるHO-1タンパクの定性・定量法はほぼ確立できた。 2.Fe-NTA腹腔内投与ラットの大脳皮質・海馬・視床下部におけるHO-1タンパク発現の検討 次にFe-NTA腹腔内投与ラットより脳を摘出し,さらに海馬・視床下部を分離した。分離した海馬・視床下部よりタンパク質を抽出し,1.と同様にWestern blot法によるHO-1タンパクの定性・定量を試みた。しかし,現時点においては海馬・視床下部においてHO-1タンパクの発現を確認できていない。この理由としては1)海馬・視床下部は腎臓と較べ採取できる資料の量が少なく,抽出できるタンパク量が少ない,2)Fe-NTA腹腔内投与では十分な量のHO-1タンパクの発現がみられない等が考えられる。現在,これらについてさらに検討および実験を続けている。
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