2006 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌に対する新規癌抗原の同定と臨床応用に向けての研究
Project/Area Number |
18791510
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小林 淳一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80404739)
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Keywords | 免疫治療 / CTL / HLAクラスI / 腫瘍抗原 / ペプチド抗原 |
Research Abstract |
すでに樹立した下顎歯肉扁平上皮癌由来の細胞株とこの細胞株に対して特異的に高い傷害活性を示す自家CTLのペアを樹立した。この自家CTLはHLA A24陽性の口腔扁平上皮癌由来の癌細胞株に対しても高い傷害活性を示した。さらにこの自家CTLペアから2種類の自家CTLクローンを樹立した。これらの樹立された自家CTLクローンはHLA A24拘束性の自家CTLクローンとHLA A33拘束性の自家CTLクローンであることが確認された、しかし、これらの自家CTLクローンは他の口腔扁平上皮癌由来の癌細胞株を傷害しなかった。 現在、樹立した癌細胞株よりcDNAライブラリーを作成中で作成後は抗原同定を目指してスクリーニングを行う予定です。このスクリーニングの結果新たな癌抗原もしくは口腔癌に対する新たな標的となりうる分子が発見される可能性がある。 また、今回樹立されていた下顎歯肉扁平上皮癌由来の細胞株と樹立した2種類の自家CTLクローンを共培養し、2種類の自家CTLクローンから傷害を受けない細胞株を樹立に成功した。自家CTLクローンに傷害を受ける細胞株と傷害を受けない細胞株についてDNAアレイ解析を行ったところ、複数の遺伝子の違いが見られた。現在これらの解析を行っているところであるが、これらの遺伝子の違いが生体内の免疫反応から癌細胞がエスケープする原因になっている可能性もあり今後の解析に期待がもたれる。
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