2007 Fiscal Year Annual Research Report
自律神経制御の観点に立った骨リモデリングにおける生物時計の関わりの解析
Project/Area Number |
18791517
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 毅 Saitama Medical University, 医学部, 助教 (60406494)
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Keywords | 骨芽細胞 / アセチルコリン / アルカリフォスファターゼ活性 / オステオカルシン |
Research Abstract |
平成18年度から引き続き,骨芽細胞に対するアセチルコリンの作用について,培養細胞株を用いた実験を行った.その結果,アセチルコリンは骨芽細胞のアセチルコリン受容体であるニコチン性アセチルコリン受容体およびムスカリン性アセチルコリン受容体を介して,がcyclinD1の発現レベルを上昇させて,骨芽細胞の増殖を促進することが明らかとなった.骨芽細胞で発現があるニコチン性受容体はα7およびβ4サブユニットで,ムスカリン性受容体はM1およびM4であったが,アセチルコリンを作用させることで,α7サブユニットおよびM1のmRNAが上昇することが示された.また,分化培地での培養条件で,アセチルコリンは骨芽細胞のアルカリフォスファターゼ活性を低下させることが示された.オステオカルシンについては,発現レベルの差は認められなかった.これらのことから,アセチルコリンは骨芽細胞への分化初期において抑制効果があると考えられる.さらに,アセチルコリンは骨芽細胞に対して,破骨細胞への分化を促進するRANKL,炎症性サイトカインであるIL-1の発現を上昇させることがわかった.このことから,アセチルコリンが骨吸収を促進する可能性が示唆された.以上の実験について骨芽細胞の初代培養細胞を用いて同様の実験を行ったところ,同様の結果が得られた.動物実験においては,迷走神経刺激による骨量の増減について,骨密度測定を行ったが有意な変化は認められなかった.
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