2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯科診療時におけるNasal-CPAPを用いた静脈内鎮静法の有用性について
Project/Area Number |
18791526
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
篠原 健一郎 The Nippon Dental University, 生命歯学部, 講師 (20350142)
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Keywords | 静脈内鎮静法 / プロポフォール / 舌根沈下 / 呼吸抑制 / Nasal CPAP |
Research Abstract |
本研究の主旨を理解し本研究参加への文書による同意が得られたASA分類PS1の健康成人ボランティアを対象に、実際に現在の歯科臨床において行われているプロポフォールを用いた静脈内鎮静法を実施し、BIS値50台後半〜60台後半を目標鎮静深度として鎮静維持を図った。そして、鎮静深度が深くなった結果生ずる舌根沈下状態・呼吸抑制の改善が、Nasal CPAP装置の術中併用により為されるか否かについて検討した。対象ボランティアにおいて静脈内鎮静法により人為的に創出された舌根沈下状態・呼吸抑制は、奇異呼吸発現の有無や術中観察しているSpO_2値に反映されるが、本年継続した研究結果においては現在、未だ検索対象数は40症例弱であるが、Nasal CPAP装置の併用は明らかに舌根沈下状態・呼吸抑制の改善をもたらす結果を示している。具体的には、発現していた奇異呼吸の解消や低下していたSpO_2値の95%以上への回復が確認された。今回、本研究計画において設定した鎮静深度においても、舌根沈下や呼吸抑制状態に至らない対象ボランティアも少なからず存在していたことから、今後は睡眠時に舌根沈下を生じやすい肥満傾向の強い者(例:BMI23以上)を対象症例に設定する点や、静脈内鎮静法による舌根沈下や呼吸抑制状態の改善に関し、肥満度の違いにおけるNasal CPAP装置の併用下での呼吸抑制改善効果の差についても検索を行う予定である。 本年の研究により、Nasal CPAP装置の併用が静脈内鎮静法による舌根沈下や呼吸抑制状態の改善に寄与する明らかな可能性が示された。
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