2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔扁平上皮癌の遊走能におけるケモカインレセプターの役割
Project/Area Number |
18791540
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
鈴木 薫 Fukuoka Dental College, 歯学部, 医員 (30425285)
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Keywords | 癌転移 / ケモカインレセプター / 唾液腺腫瘍 / 口腔扁平上皮癌 |
Research Abstract |
癌転移の臓器特異性にケモカインレセプターであるCXCR4が関与していると報告されている。唾液腺腫瘍は扁平上皮癌に比べ発育緩慢であるが,局所再発や遠隔転移を起こしやすい.口腔癌ではCXCR4頸部リンパ節転移に関する報告があるが,唾液腺腫瘍とCXCR4に関する報告はわずかである. われわれは,これまでにin vitro において唾液腺腫瘍細胞株 HSG,HSG-AZA3において細胞膜上にCXCR4の高発現を認め,細胞浸潤・遊走能に関与していることを報告してきた. さらに,平成6年から平成16年までに当科にて唾液腺腫瘍症例の手術材料31例を用いて,CXCR4発現の免疫組織学的検討を行った.手術時年齢は16-73歳,平均年齢50.3歳,性別は男性12例,女性19例であった.対象は,腺様嚢胞癌10例,腺癌2例,筋上皮腫2例,粘表皮癌2例,多形性腺腫15例であった.多くの唾液腺腫瘍症例でCXCR4の強発現認めた. 口腔扁平上皮癌症例の原発手術材料20例を用いてCXCR4発現の有無を検討した.対象の内訳として頸部リンパ節転移を認めた症例と転移を認めなかった症例をそれぞれ10例とした.CXCR4レセプターとそのリガンドであるSDF1について免疫染色をおこなって発現を検討したが,2群間でSDF1/ CXCR4の両者の発現に明らかな差を認めなかった.さらに平成17,18年における症例を追加して検討中であるが,現在明らかな差は認められない.
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