2006 Fiscal Year Annual Research Report
唾液中フェニトイン濃度を用いた薬物性歯肉増殖症の発症機構に関する研究
Project/Area Number |
18791549
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐野 富子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助手 (40323977)
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Keywords | 歯肉増殖症 / 抗てんかん薬 / フェニトイン / 副作用 / 薬剤反応性 |
Research Abstract |
抗てんかん薬フェニトインの連用による歯肉増殖症の発症を予防するために、薬物濃度と歯肉増殖症の関連を明らかにする目的で、唾液中フェニトイン濃度と歯肉増殖症の関係を定期的に観察した。 本研究の趣旨を十分説明した上で、保護者および本人の協力の得られた、新潟大学医歯学総合病院を受診中の抗てんかん薬フェニトイン服用中の小児を対象とした。対象者には小児歯科診療室を3か月毎に受診してもらい、各受診時に座位にて安静時唾液5〜10mlを採取し、直ちに-20℃にて凍結保存した。得られた試料は、酵素免疫分析法にて唾液中フェニトイン濃度の測定を試みているところである。 各受診時には、フェニトインの経口投与量、経口投与からの経過時間を記録し、萌出歯の歯種、Probing Index、Gingival Bleeding Index、Plaque Ihdex、Bone Index、歯の動揺度を測定した。また、歯肉の状態を正確なデータとして保存するため、デジタルカメラを用いて一定の撮影条件の下に上下顎歯列の口腔内写真を撮影・記録し画像データとし、上下顎の印象採得を行い研究模型を作成した。得られた画像データの分析は、グラフィックソフトAdobe Photoshopを用いて映像処理を行い、歯肉の変化について歯冠の幅を基準値として歯肉面積を算出し、その増加の有無、増加率を算出した。その結果、歯の萌出と歯肉増殖症の発症には何らかの関連性がある可能性が示唆された。 フェニトインは長期間にわたって連用される薬剤であり、短期間の観察では不十分であることから、今後も同様な観察を続ける予定である。
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Research Products
(1 results)