2006 Fiscal Year Annual Research Report
下顎頭軟骨細胞が発現する遺伝子のプロファイリングに関する研究
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18791551
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
福永 智広 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (70362994)
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Keywords | レーザーマイクロダイセクション / マイクロアレイ / ラット下顎頭軟骨 / 加齢 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
顎顔面骨格の一部である下顎頭軟骨は、長管骨の関節軟骨と成長板の両方の機能を持つ特徴的な組織である。成長期では、下顎骨は下顎頭軟骨の表層に存在する未分化な間葉系細胞が軟骨細胞に分化後、内軟骨性骨化により成長すると考えられている。一方、成長終了後では、下顎頭軟骨は永久関節軟骨として下顎頭の表層に存在する。本研究は、下顎頭軟骨の加齢による機能の変化を明らかにするために、下顎頭軟骨細胞の性状をより詳細に解析することを目的としている。本年度は、新生仔期、成長期、成熟期における下顎頭軟骨細胞層の同定、軟骨細胞の分取、分取回収細胞からのトータルRNAの回収、各軟骨細胞が発現する遺伝子のプロファイリングを行った。生後1日齢、1週齢、5週齢、9週齢Wistarラットを麻酔下にてパラホルムアルデヒドによる灌流固定を行い、下顎骨を摘出した。厚さ7μmの薄切切片を作成し、下顎頭軟骨細胞を層毎に区分するため、ヘマトキシリン-エオジン染色、トルイジンブルー染色を行った。すべての週齢において表層に線維性組織が認められ、その下層に軟骨組織、軟骨細胞層の下には内軟骨性骨化による骨組織が存在していた。週齢を重ねるにつれて下顎頭は次第に近遠心的幅径を増し、下顎頭に占める下顎頭軟骨の割合が減少するとともに内軟骨性骨化による骨組織の割合が増加していた。また、週齢を重ねるにつれて表層の線維層の厚みも減少していった。次に、生後1日齢、1週齢、5週齢、9週齢Wistarラット麻酔下にて屠殺し、下顎骨を摘出した。クライオスタットにて、未固定非脱灰切片を作成する手法を確立した後、トルイジンブルー染色を行い、異染色性を示す軟骨細胞の分別を行った。レーザーマイクロダイセクションにより切片上より直接分取、回収した軟骨細胞から全RNAを回収し、下顎頭軟骨の表層に存在する軟骨細胞と深層に存在する軟骨細胞が発現する遺伝子をGeneChipプローブアレイを用いたマイクロアレイ法により解析した。その結果、下顎頭軟骨の表層に存在する軟骨細胞が深層に存在する軟骨細胞より2倍以上の発現量を示す579の遺伝子を抽出した。
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Research Products
(1 results)