2006 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム置換を応用した亜鉛徐放性生体機能材料の創製
Project/Area Number |
18791558
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 けい子 徳島大学, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80380096)
|
Keywords | リン酸亜鉛 / ホーパイト / 硝酸カルシウム / リン酸カルシウム / ハイドロキシアパタイト |
Research Abstract |
本研究計画の目標は、リン酸亜鉛粉末をカルシウム含有水溶液にて懸濁処理するとハイドロキシアパタイトへと置換することを応用した、亜鉛を徐放する新規骨置換材を開発することである。本年度研究計画に則り、リン酸亜鉛がリン酸カルシウムへと置換する際の置換条件や、不純物によって受ける影響を検討した。 1.ホーパイト結晶のリン酸カルシウム置換機構の解明 ホーパイト試薬を蒸留水中に懸濁し、種々のカルシウムイオン含有水溶液を滴下することで、リン酸カルシウムへと置換させた。従来の我々の検討では、カルシウム含有水溶液として、硝酸カルシウムを用い検討を行ったが、塩化カルシウム、炭酸カルシウムを利用しても、ホーパイトはリン酸カルシウムへと置換した。また、置換反応は反応温度、カルシウム含有水溶液のカルシウム濃度に強い影響を受けることがわかった。 2.リン酸亜鉛セメント硬化体粉砕粉末のリン酸カルシウム置換機構の解明 リン酸亜鉛セメント硬化体をオートミルにて粉砕後、カルシウム含有水溶液を滴下し、リン酸カルシウムへの置換を試みた。ホーパイト結晶をカルシウム水溶液にてリン酸カルシウムへと置換した場合に比較し、置換率は著しく低下した。 3.ホーパイトのリン酸カルシウム置換における、リン酸亜鉛セメント硬化残留物による影響の検討 ホーパイト試薬と、リン酸亜鉛セメント硬化体中に観察される酸化亜鉛、第二リン酸亜鉛、第三リン酸亜鉛を一定割合混入し、カルシウム水溶液を用いてリン酸カルシウムへの置換反応を検討した。ホーパイト試薬中の亜鉛化合物の占める割合が増加するにつれ、リン酸カルシウムへの置換率は低下した。
|