2007 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム置換を応用した亜鉛徐放性生体機能材料の創製
Project/Area Number |
18791558
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
辻 けい子 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 医員 (80380096)
|
Keywords | ホーパイト / リン酸亜鉛 / ハイドロキシアパタイト / リン酸カルシウム / 硝酸カルシウム |
Research Abstract |
本研究計画の目標は、リン酸亜鉛粉末をカルシウム含有水溶液にて懸濁処理するとハイドロキシアパタイトヘと置換することを応用した、亜鉛を徐放する新規骨置換材を開発することである。最終年度は、以下について検討を行った。 1.多孔性リン酸亜鉛セメント硬化体の作成 セメント材料として、市販の歯科用リン酸亜鉛セメント粉末および、酸化亜鉛を1300℃で3時間仮焼した粉末と、多孔体形成剤として粒径0. 5mmの溶解性糖類をセメント粉末に一定重量比で混和した粉末を調整し、練和液には各種濃度の正リン酸水溶液を用いた。セメントは通法に従って練和し、金属型に填入、硬化形成後24時間水中にて放置し、更に振盪器(現有設備)を用い水中で数日振盪し、多孔体形成剤を溶解した。得られた多孔性セメント硬化体をカルシウム含有水溶液にて処理し、以下の検討を加えた。 (1)カルシウム含有水溶液処理による、機械的強度の変化に関する検討 得られたセメント硬化体を引っ張り試験機を用いて3点曲げ強度を測定したところ、セメント硬化体の気孔率の上昇と、カルシウム含有水溶液による処理時間、また、その溶液の濃度に比例する形で機械的強度が低下した。 (2)セメント硬化体からの溶出亜鉛イオンの測定。 多孔性セメント硬化体を擬似体液中に浸漬し、溶出する亜鉛イオンを、イオンメータにて測定したところ、浸漬初期に比較的高濃度の亜鉛が溶出した。 (3)セメント硬化体の結晶性の検討 セメント硬化体の結晶構造を、粉末X線回折装置を用いて検討した。作成した多孔性リン酸亜鉛セメント硬化体は、セメント練和後、数日経過しても酸化亜鉛のX線回折パターンが強く、セメント硬化体形成時よりリン酸亜鉛の形成が非常に少ないことがわかった。
|
Research Products
(2 results)