2006 Fiscal Year Annual Research Report
急速アパタイト転換型リン酸カルシウムセメントの生活歯髄切断法への応用に関する研究
Project/Area Number |
18791559
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
木村 奈津子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (70335800)
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Keywords | 歯学 / 再生医学 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
急速アパタイト転換型のリン酸カルシウムセメント(CPC)は,硬化時pHが上昇するが,硬化後HApに転換し中性となる特徴を有する。本研究の目的は,急速アパタイト転換型CPCの生活歯髄切断法への応用の可能性を検討することであり,本材の硬化時pH値の変化が生体組織のpH値を変化させ得るか否かについて検索した。 1、実施計画(pH11.5以上の持続時間の測定)について 被験試料として,Ca/P比の異なる2種の急速アパタイト転換型CPC(Ca/P比1.7と2.0)を試作し,従来型CPCのα-TCPおよびCa(OH)_2を対照群として用いた。方法は,被験試料を作用させたラットの皮下結合組織表面のpH(組織pH)値の経時的変化と被験試料自体のpH(試料pH)値の経時的変化とを比較した。その結果, (1)α-TCPは試料pH値,組織pH値ともに中性を示した。また,Ca(OH)_2の試料pH値,組織pH値ともに強アルカリ性を示した。 (2)両急速アパタイト転換型CPCの試料pH値は,硬化初期は13以上の値を示したが,1日後には8.4〜8.9に低下した。 (3)両急速アパタイト転換型CPCの組織PH値は,硬化初期は11.2〜12.3を示し,Ca(OH)_2の組織pH値との間に有意差は認めなかった。2日後には8.0〜9.5に低下した。 2、実施計画(病理組織学的観察および統計学的検索)について 実験中で,固定された試料を,脱灰,脱水後,パラフィン包埋し,連続切片標本を作製している。
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