2006 Fiscal Year Annual Research Report
骨代謝におけるカップリング作用を応用した矯正学的歯の移動のコントロール
Project/Area Number |
18791576
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
田渕 雅子 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30418925)
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Keywords | 骨代謝 / 破骨細胞 / 歯科矯正治療 / 実験的歯の移動 |
Research Abstract |
矯正歯科治療において『固定』の概念は非常に重要である。骨代謝自体をコントロールすることにより、歯の移動を制御するという、新しい矯正治療法の確立を本研究の目的とし、実験的歯の移動時における骨代謝の解明と骨代謝のコントロールによる歯の移動実験をおこなうこととした。すなわち、歯の移動におけるきわめて重要な役割を演ずる破骨細胞の分化、成熟に焦点をあて、そのコントロールをすることによって、歯の移動のコントロールをしようとするものである。 平成18年度の研究実績として、破骨細胞に作用する蛋白ならびに薬剤の選択として、まず、OPG蛋白を選択することとした。動物投与実験を行うにあたり、大量にOPGが必要になるため、OPG蛋白の作成実験を行うこととし、リコンビナントOPGの作成にとりかかった。各種ベクターや大腸菌など、蛋白発現システムを構築中である。今後も継続して蛋白作成実験を試みる予定である。 また、同時に、動物を用いた矯正学的歯の移動実験を行っている。これまでの歯の移動実験は、ラットを用いたものが多かったが、遺伝子的な解析を含めることを考慮し、OPGノックアウトマウスなど、より遺伝子的解析が行いやすい"マウス"を用いた実験を現在遂行中である。しかしながら、ラットの十分の一程度の体重しかないことからも、マウス臼歯は、ラットに比較して著しく小さく、新たな手法が必要である。現在までのところ、1週間までの持続的矯正力の付与が可能となっている。引き続き、本研究も継続していく予定である。
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