2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791586
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩崎 剣吾 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (40401351)
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Keywords | エナメルタンパク / 骨芽細胞 / 細胞分化 |
Research Abstract |
アメロティンは我々が発見した新現エナメル芽細胞由来タンパク質である。歯の発生過程におけるアメロティンの発現は主にエナメル質石灰化の後期に限られており、石灰化において何らかの作用を有する事が予想される。しかし、その作用については全く情報がなく、本研究の目的はアメロティンの石灰化における作用、特に骨芽細胞様分化への影響を検討する事である。理化学研究所よりマウス骨芽細胞細胞株MC3T3-E1、およびマウス胚由来線維芽細胞10T1/2細胞を購入し実験に用いた。マウスアメロティンcDNAのタンパク翻訳領域とコザック配列を含む領域をPCRにて増幅後、pcDNA Directional TOPO exprcssion kit (invitrogcn)を用いてクローニンングし、アメロティン発現ベクターを作製した。アメロティン遺伝子はDNA sequencingにより正しくクローニングされた事を確認した。アメロティン発現ベクターをLopofectAMINE 2000(invitrogen)を用いてMC3T3-E1、および10T1/2の両細胞へ遺伝子導入し1週間培養し、それぞれの細胞の骨芽細胞分化を検討した。骨芽細胞様分化の検討はすなわち、両細胞よりtoltal RNAを抽出し逆転写反応によりcDNAを作製後、PCR法にて骨芽細胞分化マーカーであるalkaline phosphatase (ALP)、runx2遺伝子発現を検討した。またALP活性を細胞染色により検討した。アメロティンを遺伝子導入したMC3T3-E1細胞、および10T1/2細胞ではいずれもアメロティンの遺伝子発現が有意に増強されたが、骨芽細胞分化マーカーであるALP、runx2は変化が見られなかった。ALP活性染色においても、アメロティンの強制発現による変動は観察されなかった。これらの結果より、アメロティンは1週間の比較的短期間における骨芽細胞分化には大きな影響をおよぼさない事が示唆された。現在、アメロティン遺伝子の安定株を作製中であり、今後、長期間における作用を検討する予定である。
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