2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18791598
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
長谷川 梢 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (00404492)
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Keywords | 歯周病 / 早産 / 低体重児出産 / 歯周治療 / 切迫早産 / 妊婦 / サイトカイン / 歯肉縁下プラーク |
Research Abstract |
歯周病と早期低体重児出産との関連性の初めての報告は、1996年に米国のOffenbacherらによりされた。2003年に我々は、アジアにおいて初めて、歯周病と切迫早産・早産との関連性を明らかにし、メカニズムに関しても考察を加えた。今回の研究では、第1に、切迫早産妊婦に歯周病の治療を行い、早産の発現率の変化を観察することで、日本における歯周病と早産との関連性をより明確にすることを目的とした。第2に、歯周病治療前後の歯肉縁下プラークの構成、および、歯周組織局所、産科器官局所、および血清中のサイトカインレベルの変化を調べ、歯周疾患と早産の関連性についてのメカニズムを明らかにすることを目的とした。 今年度の実施計画は、被験者の集積、歯周治療の実施、歯周治療後の歯科健診の実施と検体サンプルの採取であった。本研究に同意し、産科的あるいは内科的に原因不明の切迫早産妊婦は36名であった。その中で21名が口腔清掃指導開始後2回目の歯科健診前に出産し、15名が口腔清掃指導を全て受け2回目の歯科健診を終えた。早産と低体重児出産発現率は、切迫早産妊婦(36名)ではそれぞれ52.8%(19名)、33.3%(12名)、指導と2回目の健診を受け指導効果の評価が可能な妊婦(15名)では、それぞれ46.7%(7名)、20.0%(3名)であった。以前の我々の研究(口腔清掃指導なし)において原因不明の切迫早産と診断された妊婦44名では、早産、低体重児出産の発現率は、それぞれ45.5%(20名)、34.1%(15名)であった。口腔清掃指導を行った本研究の結果と比較すると、今回の結果において低体重児出産の減少傾向がみられるものの、有意差は認められなかった。来年度も引き続き被験者数を増やし、治療前後の検査結果を含めてさらに詳細に検討を加えてゆく予定である。
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