2006 Fiscal Year Annual Research Report
メカニカルストレスに対する歯根膜由来細胞の免疫学的検討
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18791601
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教 (40347472)
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Keywords | メカニカルストレス / 歯根膜由来細胞 / 免疫学的検討 |
Research Abstract |
【緒言】我々は、ヒト歯根膜由来細胞(以下hPDL細胞)に対して、静水圧を用い生体の咬合圧に近似したメカニカルストレス(力学的負荷)を負荷する実験系を考案、hPDL細胞が正常咬合圧に近いメカニカルストレスでサイトカインを産生することを報告した。そこで今回は、メカニカルストレスに対するhPDL細胞のサイトカイン産生に関して検討を加えた。 【材料及び方法】hPDL細胞は大臼歯歯根膜から採取、10%FBSDMEMで37℃、5% CO_2条件下に初代培養を行い、10^5CFU/mlに調整、コンフルエントに達したのち、静水圧を負荷した。そして、炎症性サイトカインに関してRT-PCR法とELISA法で検討を加えるとともに、細胞形態の観察を行った。 【成績】hPDL細胞は、1Mpa、10分間でメカニカルストレスを負荷後、IL-6 mRNAが発現、さらに1Mpa、60分間と6Mpa、60分間で負荷後、IL-6、IL-8、TNF-α mRNAが発現誘導された。次に炎症性サイトカイン産生量は、負荷後、IL-6とTNF-α産生を認めたが、IL-1βとIL-8産生をほとんど認めなかった。そしてTNF-α産生量は、1Mpa、60分間と比較して6Mpa、60分間では産生量が低下した。なお、メカニカルストレス負荷後、hPDL細胞は形態学的な変化をほとんど認めなかった。 【考察及び結論】本研究から、hPDL細胞はメカニカルストレスに対し、サイトカイン産生能を有することが判明した。そして、メカニカルストレスの強さおよび負荷時間により影響を受けると考えられた。また、生理的環境に近似したメカニカルストレスにおいても、歯周組織である歯根膜では局所の免疫応答を引き起し、炎症反応の一因となると考えられた。
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Research Products
(1 results)