2006 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病における機械的刺激による歯周組織の遺伝子発現
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18791612
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
江國 大輔 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (70346443)
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Keywords | 歯周炎モデル / ラット / マイクロアレイ / リポポリサッカライド / 機械的刺激 / RNA |
Research Abstract |
本研究の目的は,ラット歯周炎モデルを用いて歯周炎の病態とそのモデルに機械的刺激を加えた場合の効果についてMicroarray(Genechip)を用いて遺伝子発現パターンを解明することである。平成18年度は,ラットを以下の3群(歯周炎群・刺激群・対照群)に分け,各群の組織評価および歯肉からのRNAの抽出を行った。 Wistar系雄性ラット18匹(1グループ6匹)を使用して,次の3群に割付けた。すべての群で8週間,両側上顎第一大臼歯口蓋側歯肉に以下の条件で塗布を行った。 1)リポポリサッカライド(LPS)とプロテアーゼを1日1回投与し,歯周炎モデルを作製する歯周炎群 2)LPSとプロテアーゼを投与するなかで,4週目から歯肉に電動歯ブラシのブラッシングにより4週間機械的刺激を加える刺激群 3)LPSフリーの蒸留水を投与する対照群 実験期間終了後,全身麻酔下で右側歯肉軟組織をBiopsyして凍結切片を作製した。左側歯周組織は脱灰し,パラフィン切片を作製した。 左側の標本でヘマトキシリン・エオジン染色を行い,組織形態学的に評価した。対照群に比べて歯周炎群では,接合上皮の根尖側移動・炎症性細胞浸潤・歯槽骨吸収・コラーゲン破壊などが認められ,歯周炎の所見が認められた。刺激群では,歯周炎群に比べて,炎症性細胞浸潤・コラーゲン破壊が減少していたが,接合上皮の根尖側移動と骨吸収には差がなかった。 右側の凍結標本からRNAを抽出して,質を確かめた。28S/18Sは1.9で良好であったため、レーザーマイクロダイセクションを行った。しかし,ダイセクション後のサンプルのRNAは一部分解されており,その28S/18Sは0.87でマイクロアレイ解析には適さなかった。このため,H19年度は歯周組織全体のRNAを抽出してマイクロアレイ解析を行い,標本上で遺伝子あるいはタンパクの局在を確かめることにする。
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