Research Abstract |
H18年度において,口腔機能を賦活化させるための新しいトレーニングディバイスの開発と,さらに回復期リハビリテーション病院に入院中の患者に対し,このトレーニングディバイスを用いた間接的訓練を行い,口腔機能の回復,改善の効果について検討した。 1.トレーニングディバイスの開発 日本人成人男性の計測値^<3・4>はり,口裂幅径:46.0±3.1mm,口差計測値より,前口蓋幅:平均30.1mm,前口蓋高:平均9.0mm,後口蓋幅:平均37.5mm,後口蓋高:平均14.7mmを参考に,トレーニングディバイスを製作した。 2.トレーニングディバイスによる口腔機能の回復,改善効果の検討 対象は,リハビリテーション病院に入院中の男性患者4名;平均年齢68.5±12.2歳である。全身状態と口腔機能の評価を行い,トレーニングディバイスを用いた間接的訓練を1ヵ月間行った後,その効果を判定した。評価項目は,口腔機能として「口唇圧」,「舌圧」,「オーラルディアドコキネシス」,摂食・嚥下機能として「RSST」,「食事時のたべこぼし症状」,である。口唇圧の測定は,圧力センサを埋め込んだアクリル平面板を使用し,捕食時口唇圧,最大口唇圧の測定を行った。また舌圧は,舌を口蓋へ押し付ける最大圧の測定を行った。 その結果,捕食時口唇圧,最大口唇圧,最大舌圧が有意に増加し,食べこぼしが有意に改善した。本研究における訓練方法により;1ヵ月という短期間での訓練効果のある者が認められたことから,本トレーニングディバイスを用いた間接的訓練は,摂食・嚥下障害患者の機能向上に有効であると検証できた。なお,本ディバイスは,特許申請中である。 現在,購入した筋電図(MP-150WSW-HN)により本ディバイスの更なる口腔機能効果について検証中である。
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