2007 Fiscal Year Annual Research Report
歯科健康情報に関する数量化技法による量的・質的評価分析研究
Project/Area Number |
18791621
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
阿部 智 Kanagawa Dental College, 歯学部, 助教 (90376749)
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Keywords | マスメデイア / 新聞 / 歯科保健 / 8020 |
Research Abstract |
目的:歯科界から国民へ発信する情報提供のあり方を検証することを目的として、「8020運動」が国民に認知されるまでの過程を新聞記事からの情報提供量を分析することによって評価することとした。方法:データベース「日経テレコン21」を用いて1975年1月1日から2004年12月31日の30年間に日本の全国紙(日本経済新聞、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞、産経新聞)に掲載された「8020運動」に関連した記事を「8020」をキーワードに記事検索し、332件の記事を絞り込み、本研究の研究対象とした。結果:1989年以前に「8020運動」に関連した新聞記事は存在しなかった。前半の8年間(1989年-1996年)は66件しかなかったのに対し、後半の8年間(1997年〜2004年)は226件と急増していた。記事の種類として最も多かったのは報道記事(n=131,39.5%)で、次いで健康記事(n=87,26.6%)が多かった。月別に分析すると、「歯の健康週間」のある6月(n=63,19.0%)と「いい歯の日」のある11月(n=51,15.5%)、10月(n=38,11.4%)に多く記事が掲載される傾向にあった。期間前半には、報道記事(n=22,33.3%,)、医療記事(n=20,30.3%)での掲載が多く、期間後半は報道記事(n=109,41.0%)、広報記事(n=67,25.2%)での掲載が多かった。考察:「8020運動」に関する新聞記事教はニュースなどの報道記事を中心に年々増加傾向にあった。期間前半は全国版に掲載される歯科保健に関する情報を提供する医療記事の割合が多かったのに対し、期間後半は主に地方版を中心として地域歯科医師会イベントのお知らせや8020達成者表彰などの地元の広報を中心とする広報記事の割合が増えていた。同時に、情報の提供が専門家から一般の方へ広がっていた。これらのことから「8020運動」が歯科保健分野の専門家間で使用される用語から国民が身近に使用する単語へ変遷していったと考えられた。価値観の多様化が進む現在、我々歯科医療従事者は「8020運動」の国民への浸透していった成功事例を分析し、国民から歯科界への理解を得るヒントを学ぶ必要がある。
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Research Products
(1 results)