2006 Fiscal Year Annual Research Report
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18791623
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
戸田 真司 神奈川歯科大学, 医学部, 講師 (00329202)
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Keywords | 齲蝕予防 / 超音波 / フッ化物 / ハイドロキシアパタイト / 厚み振動型トランスデューサ / フッ化ナトリウム |
Research Abstract |
本研究では超音波によるフッ化物の齲蝕予防効果の向上を検討するため、NaF溶液を用いた場合の超音波照射によるハイドロキシアパタイト(HA)プレートへのフッ化物取り込みについてin vitro modelにて実験を行った。 HAプレートを超音波照射の有無による2つのテストグループに分け、両グループ共にNaF溶液(1000、2500、5000ならびに9000ppm F)へ3分間浸漬した。超音波作用グループには、厚み振動型圧電セラミックトランスデューサに信号発生器から2.25MHz、5Vの正弦波を印加することにより、HAプレートの試験面に超音波が照射されるように配置した。浸漬処理を施したHA試験片のフッ化物イオン濃度を基にして、HAプレートの単位面積当たりのフッ化物取り込み量が得られた。統計処理には、2元配置分散分析および多重比較を用い、グループ間の有意差検定を行った。 超音波照射下における9000ppm FのNaF溶液中のフッ化物取り込みは、他のグループよりも有意に大きいものであり(p<0.01)、超音波照射をしない場合よりもフッ化物取り込みが74%増加した。超音波照射下における5000ppm FのNaF溶液中のフッ化物取り込みは、統計学的な有意差は認められなかったものの、超音波非照射下でのグループよりも46%増加した。また、超音波照射を行った5000ppm Fのグループでは、超音波非照射下での9000ppm Fのグループと同じレベルの取り込みを示した。 厚み振動型圧電セラミックトランスデューサへの低電圧印加下での超音波による作用は、人体への安全性という点でも優れた特徴を有しており、今回の実験結果と合わせてin situ modelへの発展を十分に期待できるものと考えられる。
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