2007 Fiscal Year Annual Research Report
腸管出血性大腸菌に対する茶の増殖抑制効果と変異に関する基礎的研究
Project/Area Number |
18791632
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
吉井 美穂 University of Toyama, 大学院・医学薬学研究部, 講師 (30334733)
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Keywords | 細菌 / 看護学 / 茶 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
市販煎茶茶葉3gを80℃に温めたリン酸緩衝食塩水80mlで1分間抽出して得た茶エキスに腸管性出血性大腸菌0157(enterohemorrhagic Escherichia coli 0157, EHEC 0157)を接触させた際の経時的な生菌数と電子顕微鏡を用いた菌の形態変化について検討した。茶エキスに接触させた際のMICは原液(1.35mg/ml)のみで、EGCとの接触においては1.25mg/mlとともにほぼ同値であり、生菌数測定においても経時的に減少し4〜5時間で検出限界以下と同様の傾向を示した。走査型電子顕微鏡による観察で、接触直後より菌の表面に小さな小胞出現を認め、4時間後には菌体が伸長したり表面全体が大小の小胞に覆われるといった像を認め、最終的にはそれらの小胞の菌体からの剥離像を認めた。さらに透過型電子顕微鏡像では、細胞壁と細胞膜の剥離や細胞壁の破壊が認められ、多くの菌で細胞質の内容物が流出したゴースト像が観察された。これらの結果は、茶エキスに接触させたEHEC 0157の生菌数の減少と溶菌像の出現は時間的にほぼ一致し、時間の経過とともに菌体に影響を及ぼしていることが確認された。
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