2006 Fiscal Year Annual Research Report
全国規模のヒヤリ・ハット事例分析の結果に基づくリスクマネジメント教材の開発
Project/Area Number |
18791639
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
村田 加奈子 首都大学東京, 健康福祉学部・看護学科, 研究員 (70381465)
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Keywords | ヒヤリ・ハット事例 / リスクマネジメント / 教材開発 |
Research Abstract |
わが国における本格的な医療安全対策としては、近年厚生労働省を中心に数多くの措置が講じられ始めている。その中で厚生労働省の分析結果によると、問題発生の当事者としては看護師が最も多く、発見者も本人または同業者である看護師が多いという結果が報告されている。そこで本研究では、看護師養成課程用のリスクマネジメント教材の開発を目的として研究を進めているところである。 【研究方法】(1)事例からの事故発生要因の抽出 (2)(1)の結果を踏まえた対策の検討と教材の開発 【平成18年度の活動内容】今年度は研究方法(1)の事例からの事故発生要因の抽出を行った。本研究の分析対象事例データは、厚生労働省の「医療安全対策ネットワーク事業」でこれまでに全国の医療機関から収集・ホームページ上で一般公開しているヒヤリ・ハット事例である。その中から平成16年に報告された事例で看護師が関与した事例を抽出し、事例の分類・整理を行った。その中で「チューブ管理」に焦点をあて、看護師側に考えられる要因、それ以外の要因について抽出・検討を行った。その結果、看護師側に考えられる要因としては、マニュアルの不遵守を含む確認不足、知識・技術不足(アセスメント不足を含む)が大多数を占め、中には指導・訓練の不足がうかがえる事例もあった。次年度は今回の結果から得られた事故発生要因と他の要因との関連性の検討、事故発生要因とその対策について医療機関のリスクマネジメント担当者・リスクマネジメント研究者と討論を行いながら結果の妥当性を検討する予定である。
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