2006 Fiscal Year Annual Research Report
看護師の交替勤務が欠勤や医療ミスに与える影響に関する研究
Project/Area Number |
18791653
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
荒川 千秋 目白大学, 看護学部, 講師 (40312897)
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Keywords | 医療ミス / 欠勤 / 交替勤務 / 看護師 / 健康 |
Research Abstract |
Iはじめに 1992年(平成4)年、基準看護の承認要件として、「二交替制の勤務形態があってもさしつかえない」とされたことを契機に、二交替を選択する施設が増えている。しかし、効率よく、安全に、看護の質を保証されるための試行錯誤がまだ続いている。本研究では、追跡調査により交替勤務の違いが、看護師の健康と看護師が起こすミスにどのように影響するかを明らかにし、効率性や安全、看護の質の保証だけでなく、看護を担う看護職にとってどちらがよいのかを示唆することを目的としている。 II方法 1.対象者 関東地域一般病床数200床以上を持つ病院に勤務する女性の看護師 2.調査方法 ベースライン調査:研究者はまず平成17年7月に、関東地域一般病床数200床以上を持つ病院99の看護部長に文書により調査趣旨を説明し、調査依頼した。その結果、93の病院の看護部長から調査への参加の同意が得られ、93の病院に勤務する女性看護師に10600の調査票を配布した。追跡調査:ベースライン調査への協力が得られた93の病院で、追跡調査の協力の得られた76の病院に、平成18年1月に調査票を再度配布した。 3.調査票 調査は過去半年間のヒヤリとした体験や事故の有無と回数、過去半年間の欠勤の有無と回数、現在の勤務状態、健康状態、生活の状況について尋ねた質問紙により行われた。 4.分析 2交替群と3交替群の2群において、カテゴリー変数の比較は、カイ二乗検定を用い、連続変数の平均値の差は、t検定を用いて行った。P値が0.05未満を統計学的に有意とみなした。検定はすべて両側検定とした。すべての統計は、SPSS14.0を用いた。 5.倫理的配慮 本研究は東京医科歯科大学医学部倫理審査委員会の承認を得て行った。研究目的、方法、不利益を受けない権利、プライバシー・匿名性・秘密確保の権利の保障について説明し、署名による同意を得た。 III結果 対象の平均年齢は、二交替勤務が31.0±8.7歳、三交替勤務が32.1±8.8歳であった。今回調査した内容のうち、夜間勤務の忙しさ、夜間仕事ストレス度、睡眠不満足度、睡眠生活支障度がそれぞれ三交替のほうが二交替に比べて有意に高かった。2交替と3交替では、ヒヤリとした体験や医療ミスの有無、欠勤の有無とは関連がなかった。
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Research Products
(2 results)