2006 Fiscal Year Annual Research Report
心身症・神経症患児の父親に対する看護支援に関する研究
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18791655
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
山本 三奈 山形大学, 医学部, 助手 (20344814)
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Keywords | 心身症・神経症 / 思春期 / 父親 / 役割受容 / 親役割行動 / 精神的健康 |
Research Abstract |
心身症・神経症患児の父親の役割受容と親役割行動が子どもの精神的健康(GHQ)に与える影響を明らかにするために,今年度は対照群として小学校5年生から中学校3年生までの健康な児童生徒とその両親607組を対象に調査を行った。その結果,以下のことが明らかになった。 1.役割受容を両親で比較すると家庭役割満足(p<0.01),家庭役割評価(p<0.01),家庭役割有能感(p<0.01),仕事役割有能感(p<0.01),家庭役割達成(p<0.01),仕事役割達成(p<0.01)で差がみられ,父親の方が家庭役割に満足し,役割を肯定的に評価し,家庭及び仕事役割遂行能力に自信を持ち,様々な役割をこなしていけると感じていた。 2.親役割行動を両親で比較すると,母親の方が子どもに干渉するが(p<0.01),考えや行動を理解し(P<0.01),自立を促進していた(p<0.01)。父親は子育てに自信を持っていた(p<0.01)。 3.GHQは性別で差がみられなかった。年齢別で比較するとGHQ及びすべての下位項目で差がみられ,中学生の方が精神的健康度が低く(p<0.01),一般的疾患傾向(ρ<0.01),身体的症状(p<0.05),睡眠障害(p<0.05),社会的活動障害(p<0.01),不安と気分変調(p<0.01)が高かった。 4.GHQ判定により両親の役割受容と親役割行動を比較すると,父親の仕事役割満足は一般的疾患傾向問題なし群より軽度群が高く(p<0.05),母親の家庭役割有能感は不安と気分変調中等度以上群より問題なし群が高かった(p<0.01)。母親の適応援助は一般的疾患傾向中等度以上群より軽度群が高く(p<0.01),自信は一般的疾患傾向軽度群より問題なし群が高かった(p<0.01)。また,母親の受容は社会的活動障害中等度以上群より問題なし群が高かった(p<0.01)。
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